PBL演習 社会調査から学ぶデータ分析方法
この教材について
この PBL 演習/課題演習では、内閣府の調査「満足度・生活の質に関する調査」を活用します。
単に R の使い方や分析手法を学ぶだけではなく、現実の社会課題に向き合いながら、データを読み込み、整理し、分析し、その結果をもとに考える練習をします。
R に初めて触れる方や、社会調査の個票データを初めて扱う方も多いと思います。
この教材も活用しながら、分析の考え方と R の操作を段階的に確認しながら進めていきます。
ヒントこの演習で身につけたい力
- データを扱うための基本的な手順を身につけること
- データをもとに、社会課題について考え、説明すること
統計学や疫学、因果推論を体系的に学ぶ教材ではありません。 まずは実際のデータに触れながら、「データを使って考える」ための入口をつくることを目指します。
教材の全体構成
この教材は、以下の 7 つのパートで構成されています。
| パート | 内容 | 章 |
|---|---|---|
| 準備編 | RStudio セットアップ・ データ読み込み・変数の確認 |
1 〜 3 | |
| 前処理編 | 変数作成・複数列処理・因子型・ データ保存・フラグ |
4 〜 9 | |
| 発展編 | オープンデータの活用・前処理の復習 | 10、11 | |
| 分析編:可視化と検定 | EDA・t 検定・分散分析・多重比較 | 12 〜 14 | |
| 分析編:モデルと評価 | 相関・線形回帰・GLM・診断 | 15 〜 18 | |
| 2時点データの分析 | データ結合・パネル・変化量・ANCOVA・縦断 | 19 〜 23 | |
| 実務分析編 | 修正ポアソン・LCA・LPA・PCA vs FA | 24 〜 27 | |
警告この演習で使うソフトウェアについて
演習では R と RStudio を使います。
どちらも無料で使えるオープンソースのソフトウェアです。
授業開始前にインストールしておきましょう。
実務分析編について(PBL演習では扱いません)
実務の分析編は、社会調査の現場でよく出会う分析手法を集めたものです。
特別なものではなく、基礎編で扱った回帰分析・分散分析・相関分析の延長線上に、
次のような問いが立ち現れる場面を想定しています。
ノート実務の分析編が応える問い
- ロジスティック回帰のオッズ比、そのまま「リスク◯倍」と書いていいの?
- 県平均で見つけた相関、個人にも当てはまる?(集団と個人で結果が食い違ったら?)
- 県・学校のような「まとまり」があるデータ、ふつうの回帰でいいの?
- アンケート項目を縮約したい。PCA でいいの? それとも因子分析?
- 「タイプ分け」したいけど k-means でいいの? それともクラスタリングと違う何かがある?
この教材全体の方針
重要基礎編から実務の分析編まで共通の姿勢
- 効果量と信頼区間を常に併記する。p 値だけで結論しない。
- 観察データで「効果」「影響」などの因果言語を避け、「関連」「並行」に置き換える。
- モデル比較・感度分析を必ず行う。BIC が最小だから採用、では足りない。
- 統計的有意性を実質的重要性と切り離さない。
最初のセクションでは、RStudio でプロジェクトを作成するところからはじめます。